シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

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因果律侵犯が禁忌になっている未来の世界を舞台にしたSF。人類の因果律侵犯などを監視するエシャトンという組織というかAIが作中では設定されているのだけど、結局これの正体はあかされないままこの本は終わってしまった。同じ世界観を共有する続編がでているらしいので、そちらでもう少し深く掘り下げてくれるのかな。
作者の経歴を見るにつけ嫌な予感がしていたのだが、インターネットやらOSS運動の洗礼を受けた人らしく、それらしい記述が目立つ*1。まぁー、いいんだけどね、SF作家なら現実にある事象をもう少し斜めに切って素材として使うような姿勢があってもいいなじゃいかなー、と思った。正直この手のネタを本にすると猛烈な勢いで陳腐化するし、現実の方が面白いという事になりがち。
ガジェットの選び方とか世界観の設定には著者のイギリス人らしさが出ているように思えて、結構嫌いじゃない。

*1:国家組織は解体して、残った国連も実体はIETFが発展したものになる!とか、情報流通は無条件に正義とか