評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)

評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)

評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)

とその下巻
いかにもな表紙と装丁からもっとお馬鹿な内容かと危惧していたのだけど、かなりまっとうな内容で満腹。
表紙は一年戦争当時のシャアと思われるシルエットからして話の中心はその時代ばかりかと思いきや、ベースとなった連載がΖ GNUMDAM HISTORICAに載っていたことからもわかるように一年戦争の話ばかりではない。分量としては一年戦争グリプス戦役、シャアの動乱を映像作品の長さに応じて取り上げている感じ。
映像作品の時系列に沿ってシャアの動きとその周辺状況を分析している。分析対象とするのはあくまでシャアの出ている映像作品のみのようで、外伝やシャアの登場しないシークエンスについては説明の都合上途切れないようするため軽く触れる程度。なんとなくシャアは出ずっぱりのイメージがあったけど、改めて登場シーンだけを挙げられると登場していないシークエンスが案外多かったんだなと実感させられた。
分析自体は全作品を観ているような濃い人間なら誰でも思いつきそうな内容だし、既存のムック本などの文章と大差はないと思ったが、一人のキャラに焦点を当てて追いかけていたのはやはり異色。個人的には映像作品本編以外の逸話を多少期待していたのだけど、そちらについては恐らく創作になってしまうためか故意に記述が薄かったのが残念。