ゲド戦記の原作

アースシーの風 ― ゲド戦記V

アースシーの風 ― ゲド戦記V

やっとで読み終えた。
全編にわたって地味な話がただただ続く、いや嫌いじゃないんだけどね。最終巻に至ってはゲドは何もしないし。
本を手に読んでいると残りのページ数がこれぐらいだからオチの部分にはこれぐらいの分量が割かれて、などと考えながら読んでしまう癖があるんだけど、このシリーズはどれもその勘が外れた。そろそろオチに入らないと収拾がつかないんじゃないかと、変な意味でハラハラさせられた。何というか山があっさりしすぎという感もする。
著者のル=グウィンは女性ということもあって、ゲド戦記フェミニズムのコンテキストで言及されることがあるらしい。しかし本編を読んだ印象では、むしろフェミニズムというよりは独特の死生観の方が印象的だった。西洋人でもあれぐらいは受け入れられるもんなんだろうか。
小説は他人の人生を体験できるメディアなんだなぁ、と小学生の感想文のような感想。