実録 SEの履歴書 (技評SE新書 006)

実録 SEの履歴書 (技評SE新書 006)

実録 SEの履歴書 (技評SE新書 006)

読み終えた。出てからすこし経ったけど、何でもかんでも新書ブームでついに技評まで新書かー。電車通勤の一往復で読み切れてしまうので、コストパフォーマンスが酷く悪い。
内容としては各分野で一流どころのエンジニアの方が自身の職務経歴や人生観などを語った内容を纏めたもの。Googleに移られた鵜飼さんやYahoo!Japanの山下達夫さん、はてな伊藤直也さん、SRAの石井さんなど名前どころかその人の書いたコードの恩恵に預かることの多い方々ばかり。単純なインタビュー形式ではなく、編集の人が手を入れた文章なのでメリハリがあっても追い易い。
どの方々も一流どころだけあって一家言ある方ばかりで、自身の現状と照し合わせてかなりクるものがあった。どの方にも共通して言えそうなのは、大家ぶったところがなくそれでいてしかるべき時期に一意専心で取り組んでこられた経歴を持っておられることか。翻って私といえば、一意専心とは対極にある経歴だ。敢えて望んでやっているとはいえ、色々と考え込んでしまった。
あと、この人数の中でSRAの人が2名も選ばれているところに意図を感じる。これは遠回しなSRAのタイアップ企画なんじゃないのかーっ!(嘘)。実際、SRAはこの分野のパイオニアであり、そのわりに現在でも確固たる地位を守っている数少ない企業だ。PostgreSQLの石井さん、Smalltalkの青木さん、GNUの引地夫妻、などなど企業規模のわりに凄い人が多すぎ。凄い人を多く飼っていた会社は他にもあるけど、多くがその後、没落していった歴史がある(んで、人材学校として後世に記憶される)なかでどうしてSRAが生き残れたのだろうか。Googleは今すぐSRAにそのノウハウを聞きに行くべきだと思った。向うも迷惑だろうけど、頭下げて勉強させてもらうべき。
ところで、表題にもなっているSEという言葉だけど私はどうにも好きになれない。肩書にこれをつけられるのは半ば蔑称のようにすら感じて、「エンジニア」や「プログラマ」という実際手を動かす肩書の方が好きだ。実際、LinusをSEなんて呼ぶ人間は居ないよね、肩書というよりは役職といった感じ。