NECの110Rb-1h

何故か今ごろ話題になってる。ちょっと売り方を変えたのがニュースなのかな。
会社でもあんまり本格的に使っているわけじゃないんだけど、ざくっとした感想など。

OEM

このサーバよくよく見るとMSIOEM供給元で、自身も独自のブランドで出している。
でも、実際にはこちらを買うのは販路的に難しいし、価格でもNECから買った方が案外安かったりするので素直にNECから買ったほうがいいかもしれない。

ケース

板金を曲げただけのシンプルな作り。もっと価格の高いサーバの非常に考えられたケースと違い、汎用品を入れるためだけのわりとおおざっぱな構造で本当に「箱」。
板金の加工は悪くない。この種のサーバをキッティングするとついつい手を怪我しがちな方なんだけど、このサーバは端面の加工が綺麗に処理されているのもあって怪我をするような事もなかった。

前後マウント

専用レールも合わせて買えば確かに可能なのだけど、2台入れるにはそれなりに奥行きのあるラックが必要。データセンターによっては入らないかも。
専用のレールは1セット買えばラック側の長いレールと本体側の金具が2台分付いてくるので、実は本体の台数分買う必要はなかったりする。

マザーボード

MSI由来であるためわりと素直。
標準に512MのメモリをBTOで外すことが出来ないので2Gの構成にするためには、標準搭載のメモリを捨てなければならない。マニュアルにもあるが追加で1GbytesのDIMMを一枚追加する1+0.5という構成は認識しない。追加するなら512Mを足して1Gか、1Gを2枚差して2Gにするか。
メンテ時にしか使わないと思われるが、何故かオンボードVGAMatrox G200の組み込み版。

CPU

Core Duoは結果的にあまりメインストリームで使われる時期が短かかったが、性能的にはCore 2 Duoから見てもそれほど遜色ない。我々の環境ではNetburst Xeon(3GHz)と混ぜてウェブのフロントエンドとして使ったが、これに搭載されているCore Duo(2GHz)の方が1、2割速いようだった。
強いて難点を上げるとすれば32bitコードしか実行できないことだが、仮に使えたとしても主記憶が2Gまでしか搭載できないので実用上は問題ないはず。

イーサネット

Intelの82573Lが2個搭載されている。いわゆるe1000で認識できるやつ。
TCP offloadも含めてLinuxからの利用でも全く問題なし。

HDD

3.5インチのSATAが2個搭載可能。標準構成ではマザーボード上のSATAポートを使うのでハードウェアRAIDもホットプラグも不可。
そういう冗長性は筐体を並べることでとって下さいというポリシーだろう。

IPMI

EXPRESSCOPEエンジンなどと書いてはいるものの、一般的なIPMIのBMCと同じ感覚で使える。BMCが独自のEthernetの口を持っていてIPも付与できるタイプ。本体動作中のOSから見ることもできるし、リモートからEthernet経由でも情報が採れる。機能としては各種センサー、リモートからのパワーサイクル、リモートからのシリアル接続など基本的なところは網羅している。
記事にもあるリモートKVMSは便利ではあるが、ライセンスが高価(5万円)のため本当の値段を考えるとちょっと買う気になれない。Linuxや*BSDで運用するならシリアルコンソール化すれば事足りるし。
ちなみに、BMCの設定ユーティリティCD-ROMが付いてくるのだけど、これがDOSで動作している。表示に使われているのが、とても懐しい98フォント。