お台場ガンダムは低軌道ステーションの夢を見るか

ということで、本当にH-IIBで打ち上げ可能かを考えてみる。

打ち上げ重量

本日打ち上げられたH-IIBの諸元については、Wikipediaより

軌道投入能力
低軌道 19,000kg

http://ja.wikipedia.org/wiki/H-IIB%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

とある。最終的な投入軌道の高さによって、必要な推進剤の量が変るので運べる重量も変ってくるが低軌道にさえ上がれば、ブライトがなんとかしてくれるのでひとまず宇宙に出たものとする。
一方、打ち上げられるガンダムの方はというと

全高 18.0m
本体重量 43.4t

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0_%28%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E5%85%B5%E5%99%A8%29

で、H-IIBの能力を遥かに超えていることがわかる。こちらは劇中でのスペックであるが、実際にお台場にあった物は35トンだったらしいので、それでも全く足りない。
ちなみに、この重量を打ち上げるには一般的に商用の衛星打ち上げビジネスで使われているESAのアリアン5やロシアのプロトンロケットは、低軌道へ20t前後とH-IIBと同程度の打ち上げ能力なのでやはり足りない。スペースシャトルで24.4トンとまだ足りない。これ以上のクラスとなると今ではほとんど使われない超大型ロケットというのが必要らしい。アポロ計画などに使われた有人宇宙機のパーツを打ち上げたクラスの人類が作ったことのある最大級のロケットだが、ここまでくれば能力的にも十分だ。
その一例であるサターンVロケットの諸元は

搭載能力
低軌道 118,000kg

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3V

とある。ただこちらは既に実機はなく、使うとなれば有人火星探査計画で利用する予定のアレスVの方が現実的だろう。こちらは地球低軌道に188トンとやはり十分な能力である。
現実的なところで、モビルスーツではないがボールならばどうだろう。
こちらは、

全高 12.8m
本体重量 17.2t

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB_%28%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%29

でいずれもH-IIBでもなんとか可能な範囲だ。構造も簡単なので、モックを作るぶんには遥かに軽量に作ることができるだろう。ボールを打ち上げて何が楽しいのかと言われると返答に困るが。

サイズ

H-IIBは打ち上げ能力が向上した関係上で大きなペイロードを持つことになり、衛星を搭載するフェアリング部分は大型化された。長さで3m伸びて15mとなっている。単純には全高18mのガンダムを搭載することは難しそうだ。
標準的な男性の比率から計算すると身長18mとして、肩幅は約4.5mとなる。実際には普通の人間よりも肩幅が広い見栄えのする体型なので、装甲部分もあり肩幅としては6m近いのではないだろうか。ここでもH-IIBの直径5.1mのフェアリングにはやはりそのままでの搭載は厳しい。

費用

ここまでで搭載は重量、サイズともに無理だと分っているのだが敢えて費用面を考えてみる。
今回の打ち上げでは開発に270億円、今回打ち上げ分で147億円かかっているそうである。
ガンダムを打ち上げるとなればやはり当事者はバンダイナムコであるはずだ。平成21年通期での売上は4263億円、当期純利益で118億円だそうである。案外桁が違うほどではないので行けるかもしれない。ガンダムを打ち上げたいと持ち込めば(主に現場が)ノリノリになってくれるに違いないので、実際にはもっとコスト軽減できるだろう。
最近業績が芳しくないバンナムにおかれましては、こんな馬鹿なことに金をつっこむと経営陣の首が飛ぶどころではすまないと思いますが。

さいごに

全面的にネタ記事ですが、それゆえ技術的なツッコミは大歓迎です