コンピューティングの中心は

いまいち結論めいたものもなく、自分自身で頭の中を再確認するだけのためのエントリです。
id:pekeqさんのこのエントリの危機感があまり共有できない。コンピューティングの中心がPCからより小さなデバイス、多分携帯電話的な何かに移るというのには確信があるのだけど、処理の主体がサーバ側になっていくのか、クライアントが復権してくるのかという話だろうか。サーバサイドのコードを書く人間として、クライアントの復権が恐ろしいという話に読めたので、以下はそのような話として進める。
今が過渡期なのかもしれないが、現代では様々なアプリケーションの実行形態があり、かつてあった。コードのどの部位をどこで動かすかという軸で見たときに上から順に完全にサーバサイドで動かす実行形態から、下に行くほどクライアントサイドになっていくというように並べてみました。

ダム端末
PlainなHTML
i-mode端末
NC

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RIA
OpenSocialとかfacebookとか
スマートフォン用のウェブアプリ
ActiveX的な何か(GoogleのNative Clientとか)
MMOなネットワークゲーム

          • -

MOなネットワークゲーム
iPhone/Android用アプリ
AmazonS3

          • -

Microsoft Office
ネットワーク非対応のゲームコンソール

こういった事柄を分析するのに適しているかはわからないが、アプリケーションにおけるMVCがどこで動いているかという点で区別した。最初の群ではクライアントサイドではViewのみ、それも後段部分のみが実行されていると考える。次の群では、Controller部分の一部も委譲されている。3番目ではControllerは完全にクライアントサイドに移っており、ネットワークの先にあるのはModelのみ。最後が古典的なスタンドアロンの実行形態。
ウェブの黎明期から考えると実行主体がどんどんクライアント側に移っているように見えるし、元々クライアントサイドで動くのが常識だった時代からするとよりサーバサイドに処理主体が移行しているようにも見える。
Googleなんかは現在のビジネスモデルもあってか2群が今後の主流になると信じているように見えるし、Microsoftなんかはできれば3、4群あたりを主流にしていこうとしていたけど折れて2群に進もうとしているように見える。AppleiPhone当初を見ていると2群に未来を感じていたようだが、その後3群に方向転換したと思う。コンシューマ向けの機器を作って収益を得ている会社としては至極まっとうな判断に思える。
そして、当初のサーバサイドは死ぬのかという話に戻すと、もはや4群だけでは魅力的ではなくなったというのはいいとして、2群と3群はそれなりに共存していくのではないかと思っている。それぞれの実行モデルには得失があるので、単純にどちらかが代替になってそれ一色になることは無いのではないか。