海底ケーブルの切断事故

意外に知られていない事だけど、海底ケーブルの切断自体は珍しい事象ではないです。むしろ広いカバレッジのネットワークを持っていると世界中のどこかで切れていることが多いぐらい。
今回の故障では台湾周辺の海域でAPCN2,EAC,FLAG,FNALあたりが地震で切れたという事らしいですが、この海域は地震も頻繁にあり水深が浅く漁船も多く操業している海域ということもあって切断事故自体はよくある海域です。ただし、今回は2つ以上のケーブルシステムが同時に切断し、しかもループ構成で冗長性をとっているケーブルシステムについても2箇所で故障しているため孤立が発生してしまっているという点が特異。
これほどの規模になると各キャリア内での努力ではどうしようもないので、各社足並みを揃えてプレスリリースを打った模様。確かに日頃からケーブル冗長性は考慮してネットワークは設計しているはずだけど、これほどの多重故障は正直言って想定の範囲外だろう。広く状況を説明した上でユーザに理解を求めざるを得ないのは仕方ないと思う。
プレスリリースを読む限り前の職場で担当していた国への疎通は直撃を受けたものの全断とはならず、なんとか生き残っている模様。しかし、恐らく帯域が激減しているだろうし、他のキャリアが処理し切れないトラフィックと相俟って酷い状況になっているだろうな。多少コストがかかったが冗長性のある調達計画にしておいてよかった。
(追記)どのケーブルシステムが切れたかの詳細を聞いたけど、かなり酷いな。これで孤立していない方が奇跡だな。