太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)

太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)

太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 (創元SF文庫)

これも読了していたんだった。
宇宙航行物のハードSF。前作同様マッカンドルー航法という高加速を実現する方法で太陽系近辺の冒険をするという話。
設定はハードだし、話の主題となっている物理現象は面白いのだけど、人物描写というか舞台をつくるための人の取り回しがかなり適当でかつそれを文中でくどくどと言い訳しているのが見苦しい。宇宙探査物と言えば計画はともかくどうにかして想定外の事象が発生して、それに対処していくというのが基本的なプロットになると思われる。その想定外の事象を起こすのに、ある作品では未知の物理現象を使ったり、事故を使ったりする。ところがこの作品では「悪い人間」が出てきて「悪い事」をするといういまいちな展開がしばしば見られる。 それに至る過程もやや無理があるので、白けてしまった。
残念ながら作者は故人となってしまっているためこのシリーズはこれで完結とのこと。