2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)
- 作者: 西村博之
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 新書
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ひろゆきという人は身も蓋もないことを言うけど本質を突くような鋭い事を言う人だと思っていたけど、本としてまとめられると結構支離滅裂な人だなという印象。インターネットに対しても世間は過度に期待していると批判しているわりに、2chに関しては結構自己評価が甘いというか過大評価のし過ぎと思った。
YouTubeへの言及の最初がAS番号の取得というのは非常い興味深いのだけど、これがGoogleがYouTubeの買収に繋がったというのは恐らく間違い。GoogleがYouTubeと安価にトラフィック交換する必要があるほど、相互のトラフィックがあったとは思えない。YouTubeのトラフィックが向かうのは一般ユーザー用ISPであってGoogleの用にウェブサイトをやっているASに対してではない。YouTubeに限らずあの種の大手ウェブサイトがAS番号を取得するのは4、5年前ぐらいからアメリカでは一般的だった。AS番号を話題にするぐらいだからBGP4の仕組みを知らないわけではないのに、なんでこんな勘違いをしているんだろう。
後半の対談なんかもよく酒の席で話す程度の内容という感じ。エンジニア同士で呑むと大概あんな感じに話が飛びつつ咬み合わないならがらも当人同士はなんとなく理解している状況によくなる。多少推敲されているものの、本として出版するほどの内容とはとても思えない。
昨今のブームで内容の薄い新書が多くなったなと思うが、いよいよウェブで見掛ける文章と大差なくなってきたな。