TOP500におけるアーキテクチャ別のシェア

Twitterの方にも書いたけど、ちょっと衝撃的だったので日記にも書いておく。
2009年11月時点でのスーパーコンピュータの性能ランキング(TOP500)が先日発表された。このランキング自体はLINPACKというベンチマークの結果を速い順で並べたもの。このベンチマーク自体には実アプリケーションの性能からの乖離が指摘されているぐらいで、あまり良いベンチマークでは無いらしいのだけど広い用途で使われる汎用スーパーコンピュータの指標としては良い代替が無いらしく未だに使い続けられている。
この統計には色々な切り口で見せるページが用意されていて設置場所別の性能の総量とか、ベンダー別などで見ることができる。
そこで見付けた、アーキテクチャによる分類がなかなかに衝撃的
Processor Architecture share for 11/2009
500台中ベクトル型が1台、その他1台、それ以外の498台がスカラー型なのだ。
10年ぐらい前にHPCの研究者と話したときには「スカラー型が伸びることは間違いないが、ベクトル型でないと解き難い問題があるから大丈夫(キリッ」とか言っていたのだが。どうやら全世界におけるベクトル型計算機の需要は、官需に支えられた1台しか無いようだ。
ちなみに、その他の1台は性能から言っても国立天文台のGRAPEだと思われるのだが、これはこれで超異質。アーキテクチャもそうだが、計算ノード自体から自作してTOP500に入るのは間違いなく世界で計算機だけ。同じ特異な技術で生き残るとしても、こういうアプローチの方が面白いと思うのは判官贔屓だろうか
また過去10数年における変遷をポスターにした資料(PDF)も面白い。90年代半ばぐらいはCPUのアーキテクチャの実験場だったのだな