Kindle買って数週間が経ったので感想

日本語表示できるようになったら買うのにー、とか言っていても仕方無いのでKindleの国際版を数週間前に買った。

パッケージ

Amazon自身の物流に乗ることを前提としているので、輸送中の箱がそのままパッケージになっているという合理的なダンボールに入っている。
ある種のフェティッシュを満足させてくれた初期の頃のiPodを彷彿とさせる包装は嫌いじゃない。

付属品とか

同期と充電用を兼ねるUSBケーブルとAC100VからそのUSBへ給電するための小さなアダプターが付属している。マニュアルは小さなリーフレットだけ
標準の添付品ではなかったが、同時に専用カバーを購入した。電子ペーパーの表面は液晶よりは丈夫そうだが、鞄にそのまま入れると傷が付きそうだったので事実上はこれが必須であるように思う。鞄から出してカバーを開いて、電源を入れれば2秒ぐらいで即読める状態になるのは紙の本と同じレベルの体験とは言えないが、かなり近いものを提供できているように思う。

PC側のソフト

付属品でも後からダウンロードできるものも公式が提供するものは無いようだ。iPodが単体では何もできなくてiTunesと連携させることを前提とした作りであるのとは対照的だと思った。
データ連携はPCに接続すると通常のUSBストレージとして見えるので、初期状態からあるディレクトリにファイルをコピーするだけ

ネットワークサービス

iPodiTunesも含めたシステムの一端であるのに対して、KindleAmazonのネットサービスと連携すること前提とした端末だ。購入初期状態から、購入者のAmazonアカウントが登録されており、文字通り箱を開けて数秒で本が買える状態になっているのがその典型。
Amazon購入からのフローだけでなく、メールによるデータ転送も用意されており個別のKindleが自動的にメールアドレスを持つことになる。こちらのデータ転送は有料なようだが、どこからでもメールを投げればすぐにKindle上で読めるのは便利。
米国内ではSprintの3Gネットワークを無料で使え、海外ではローミングでローカルのキャリアがある限り無料で使えるようだ。

読書体験

技術書を中心に数冊買ったり、転送して読んでいるがやはり紙には数段劣る体験だと思った。
電子ペーパーというデバイス自体の特性もあるのだろうが、操作に対する応答は一々遅い。現在のモデルの表示面積ではフォントを最小にしても一度に表示可能な文字が少ないため、一覧性が低くて「ざっと読む」というのが難しい。文中に表などがある書籍だと自動的に折りかえされて崩れてしまうという問題もある。
表示面積については上位モデルのKindle DXであれば改善するのかもしれないが、やはり紙の本における見開き体験に慣れたユーザに対しては体験が後退する部分があるのは否定できない。

その他の機能

簡易ブラウザとか読み上げ機能が付いている。
使い放題の3Gネットワークを使って無限Wikipedia(英語のみ)は暇なときにはかなり使えるのではないだろうか。読み上げやMP3プレーヤの機能は正直おまけ程度だと思う。せめて視覚障害者の人には福音になればいいのにと思った。

総評

2世代目の製品にしてはデバイスとしての完成度がやや低いように思った。新しいファームウェアでPDFが読めるようになったとは言え日本語フォントを搭載せず、今後のファームウェアで対応が確約されていない現状では日本語を使う人間が買うには難が多すぎるデバイスというのが評価。
Kindleが出ても「紙の本が無くなるわけではない(キリッ」という意見には同意できない。iPodが出てCDが絶滅に向いつつある程度には紙の書籍は減少していくのは間違いないと思うし、Kindleはその最初の歯車を回したと言える。正直言って完成度は低いし、そもそも本を読む人間が想像以上に多かったのが意外ではあるがともあれガジェット好きには喜ばしい事態である。