素朴に信じすぎる人達

AppleiPhoneプラットフォームからFlashを締め出すために規約を改訂した件について、凄く素朴にAppleの言い分を信じる人が多い事に驚いた。Appleは過去に現状を正当化するためにとりあえずの言い訳をし続けてきたのだが、毎回素朴に信じている人が居たのだろうか。何事にも是是非非で判断しないで、丸ごと受け入れてしまう人達のことを信者って言うのだろうな。
Appleの今回の施策もAdobeFlashが目障りだから排除したいために打ってきたものを、公式発表であるFlashみたいなネイティブでない開発環境だと低品質なソフトができてしまうからというのを素直に信じちゃうんだな。ああいう人達はMacIntelにスイッチする直前までIntelよりPowerPCの方が全面的に優れていると最後まで信じていたのだろう。
Apple営利企業なのだから、自分の都合の悪い動きには牽制球を投げようとするだろうしCEOの口先だけで相手企業の動きを制することができれば使うのは当たり前だろう。Jobsが「アメリカ人は本を読まないから本を読むデバイスなんてダメ」と言っているということは、対抗するためのデバイスが完成するまでまだかかるということだし、「スマートフォンマルチタスクなんて不要」と言えばそれは次のバージョンまで実装できないという事。
コンピューティングの大きな趨勢としてネイティブ言語のみしか使えないこれからのプラットフォームというのはナンセンスだし、Appleの事だからきっと対抗策の一つや二つは考えているのだろう。それはAdobeFlashよりもきっと良いものであると思われるし、できればクロスプラットフォームで展開して欲しい。
しかし、恐らくすぐには投入できない完成度なのだろう、それを悠長に待っていたらiPhone上でのFlashの拡大を許してしまう。それをJobsの口先で留めようとする事自体は品がないとは思うが、別に構わないと思う。しかしプラットフォームを提供する企業としてそれを規約で締め出そうとするのは暴挙と言わざるを得ない。
やたらとこの問題を「Flashは糞」とか「Adobeの実装がダメ」とか矮小化したがる人が居るが、個別の製品とは全然関係ない。Adobeの製品は一つも購入したことがないが、今回は法廷闘争でもなんでもして悪しき前例を残さないように戦って欲しい