ARMによる本格サーバ

http://www.linuxfordevices.com/c/a/News/ZT-Systems-R1801e-/
が出始めたようだ。ただしまだ評価機という扱い。

  • 1Uの筐体に最大8個のSoCを搭載して、
  • 1つのSoCに2コア
  • 全体では16コア
  • 1つのSoCごとが独立した1つのホストになっており、これをSoM(System On Module)と呼んでいる
  • ホスト毎に1GBのDDR3と1GBのNANDフラッシュを搭載
  • ホスト毎に80GBのSSDを搭載
  • Gigabit Ethernet x4+IPMI用Ethernet x1
  • 内部にL2SWを搭載して、各ホストから独立し
  • 消費電力は80W未満

1Uに16コアというと凄いけど実質は8ホストが高密度で詰まっているので、仮想化されたサーバと比較したくなる。リソースの振り分けとかが仮想化サーバよりも柔軟じゃない分こちらの方が使い勝手があまり良くないように思う。はてな社がやっているように一つをメモリ山盛り、一つをCPUたっぷりといった構成が取れない。シングルスレッド性能も600MHzのCortex-A9なので、最近のマルチコアと比べてやや見劣りするかもしれない。
FacebookはARMをサーバ機に使う気満々のようで

Facebook のシングル・スレッドについて言われる、充分な速度を満たすという基準にまで、ARM の CPU パワーが成長したように思える。

http://agilecat.wordpress.com/2010/08/24/arm-%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc-dc-%e3%81%ae-%e4%b8%80%e7%95%aa%e6%89%8b%e3%81%8c-facebook-%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e3%82%a6%e3%83%af%e3%82%b5-cloud-cloudcom/

とある。余談だが、彼らは自分達のサービスが何MIPS(という指標ではないのかもしれないが)あれば1つの処理スレッドを満足できる速度で完了できるか正確に把握しているのだな。これは素晴しい。
消費電力が最大でも80Wというのはかなり良くで、Intelのチップベースの最近の1Uサーバでの消費電力と比べても1/2から1/3以下である。ただし、性能当りに換算するともうちょっと差は縮まるはず。
今後はよりサーバでの利用をメインターゲットにしたSoCが出る予定なので、それを使ったサーバが出てくるとシングルスレッド性能も十分に競争力のあるものになると思われる。本格利用は早いところでも来年半ば以降だろうか。