Oracle Database Express Editionを使う

Express EditionというのはLinuxWindowsプラットフォームだけに提供されているOracle Databaseの廉価版。単なる廉価版というだけでなく、かなり初心者向けに使い勝手に気を遣っているバージョンだった。
Oracleは8ぐらいから何度もセットアップをしていたのだけど、テキストベースだけど挙動が怪しい物やJavaで記述された糞重い物などどれも酷いインストーラに苦労させられていたものだが、このバージョンはなんとrpmdebで提供されていた。もちろんサイズは大きくて200M以上あるrpmがゴロンと一つ置いてある。今回はCentOSに入れたのだけど、もちろんrpmで一発。標準的なライブラリ群に加えてlibaioを要求するのは相変らずなのだけど、それにしても簡単だ。
インストール後は指示の通りinit.d以下のスクリプトでポートや初期パスワードの設定などをするだけ。これにしても自動実行する方法がマニュアルに記述されているという親切さ。
今までのインストーラならこの後で使うユーザ向けに黒魔術チックな環境変数を大量に定義してやる必要があったのだけど、これも所定の場所にシェルスクリプトが置かれてこれをsourceせよとの指示が出るだけ。NLS_LANGについてもOracle独自の不思議ロケール文字列をどこからか引っぱってきて設定する必要があったものだけど、標準のLANGから変換するスクリプトが添付されていて通常の利用では何が設定されるか意識する必要すらない。
管理用のインターフェースもローカルのLISTENするウェブUIを介して操作するようになっている。やや重いのは仕方無いとしても従来の専用クライアントを要求されるのに比べればかなり敷居が低い。
全般的にLinux文化をよく知った人が開発に関係していることがわかる。発表された当時にMySQLキラーと呼ばれていたのは伊達でない。RACなどは省かれているとはいえコアとなるRDBMS自体の能力に変な制限がなければ、このバージョンのOracleで十分事足りることがほとんどなのではないだろうか。